概要
著者である竹内薫さんはサイエンスライターとして活動する傍ら、テレビのコメンテーターなども手掛ける方。
その竹内さんも表現の仕方で悩むことが多かったそう。
しかし、竹内さんはある時に気づきます。
リスナー、視聴者は自分の発信する中身のファンになっているのだ、と。
(P.4)
本書はそんな竹内さんが実践して得た、インプット/アウトプットの知見を凝縮した一冊です。
なお、2009年発行のためか、ところどころ時代を感じますが、理論はかなり参考になりました。
ちなみに竹内さん、Apple信者です。
メンタルマップ
- インプットの方法
- 本の読み方→1章
- 情報収集方法→2章
- シンキングの方法
- 「考える」とは→5章
- 考える上で大事なこと→5章
- 文章術
- 基礎から書かれていそう→6章
- 文章読本について筆者の意見→6章
この本を読んだ理由
- ブログのコンセプトに迷っていた。
- ぼんやりとブックレビューを考えていたが、本を読んでからブログに起こす作業は続かないんじゃないか?と思っていた。
- 作業量が半端じゃなさそうなので・・・。
- そーいえばアウトプットの方法って勉強してなかったなーと思い、図書館でこの本に出合いました。
紹介したいところ
読んでいて個人的に面白そうなところをピックアップしてます。
「アウトプット術」とありますが、アウトプットするには
・知識を手に入れる「インプット」
・内容の考え方(本書では「シンキング」と表現)
も必要だよね、ということでインプット、シンキング、アウトプット3つに分けました。
インプット編
本屋では平積みの一段上を見ろ。
本屋で平積みの棚は”玉石混交”ゾーン。おいしいのは、平積み一段上の棚。
ここにはいわゆる「ロングセラー」物が取りそろっている可能性が高い。
ロングセラー系でまとまった棚があるならそれを活用するのも手。
速読の仕方ってあるんですね。
速読(効率よく読書する)のコツは、緩急をつけること。
自分が興味がある/重要な箇所はじっくり読んで(緩)、そうでない箇所は読み飛ばす(急)
ことで速読が成立する。
やっぱ英語か・・・。
日本語のみの情報よりも、英語圏も含めた検索をすればより多くの情報を得ることができる。
シンキング編
日本人の弱点!?
日本人は既存の概念を発展させるのは得意。(使いやすくする、より小さくするなど)
しかし、基本理念をイチから考えるのが苦手。
物理現象って意外と主観的
間主観性の話がフックした。
間主観性とは・・・本から引用。
あくまで観測者との相対的な関係性によってデータが決まるという考え方がようやく確立されたのです。
(P.163-164)
ある事象(例:コーヒーカップ)は単独で存在するわけではなく、観測者によってデータが変わる、と。
物理はすべて数式で説明できて、再現性があるものだと思っていましたが主観がバリバリはいるんですね。
ってことで心にフックしたのでメモしときます。
比喩で理解できればOK
他人が人の考えを理解するとき、その人の頭の中で理解しやすい何かに置き換えているそうです。
意識して仮説を立てる
柔軟な発想には複数の仮説を用意する。
他の仮説を検証することは試行錯誤の一つ。
ボーっとする時間も悪くない
何もしない時間の中で浮かんだ思考が面白い発想につながることもある。
アウトプット編
読んでもらう相手を定める
文章を組み立てる前に、
- どういう目的で
- 誰に向かって
- 何を伝えたいのか
の3点を整理してみてください。
(P.198)
自分の心に響かせろ
文章を書くにあたって、自分の心に響くことが大事。
自分が面白いと思わない事柄を他人が面白いと思わない。
田中泰延さんと同じ主張をしてるなーと思った。
文章読本はあくまで入り口
文章読本単体では意味が無いと断言している。
竹内さん曰く、「っていうか、その作家の小説を読む方が面白いしタメになる」と結論付けている。
世界に通用する高いレベルの作家が日本にあふれていることになってしまいます。
(P.231)
読後感想
ノウハウ本というより、竹内さんのエッセイに近いかなと思った。
でも個人的に刺さるワードもあり、インプット初心者としては出会えてよかった本でした。
コメントが薄いとか言わない。
現場からは以上です、ありがとうございました。