【レビュー】夜市(よいち) 著:恒川光太郎

積まれた本とコーヒー ブックレビュー

夜市という本の表紙。

 

はじめに

以前お話した、「夜市」についてブックレビューしていきます。

「夜市」とは?

恒川光太郎氏によって書かれたファンタジー小説となります。

2005年に角川書店より出版されました。

第12回日本ホラー小説大賞受賞作で、「夜市」と文庫化書き下ろしの「風の古道」は両方ともコミカライズされています。

Wikipedeiaより一部抜粋

本書構成

  • 夜市
  • 風の古道(書き下ろし)

『夜市』あらすじ

今宵は夜市が開かれる。

「夜市」 恒川光太郎 著 P7 抜粋

大学生の いずみ は、高校の同級生だった裕司から“ある市場”へ誘われることとなります。

それは「夜市」という名を持つ、様々な”世界”から訪れた物の怪たちの市場でした。

戸惑う いずみ に裕司は、なぜ自分が夜市を知っているのか、そしてなぜ夜市に来たのかを話します。

「過去に一度、夜市に迷い込んだことがある。その時、弟を売った。」

弟を“買い戻す”ために夜市を訪れた裕司たちの前に、ふらりと老紳士が現れて・・・。

『夜市』感想

細田守監督に映画化してもらえ!

夜市のルール、裕司の思惑、いずみの役割、老紳士の立ち振る舞い。話のトータルバランス◎。

ジャンルはホラーですが、ファンタジー感強い一作だなーと思いました。

『風の古道』あらすじ

君たちは実のところちょっとまずいことになっているよ。

「夜市」 恒川光太郎 著 P96 抜粋

主人公である”私”の過去語りとして物語が進みます。

“私”は12歳の夏休み、親友のカズキと共に”私”が幼いころ一度だけ迷い込んだ“秘密の道”へ再度踏み込むことにします。

道のりには木々をすり抜けるトラック、異様な動きをする女の一団と遭遇するなど、不可思議な現象や物を見かけます。

道を歩いていて偶然見つけた茶屋で、放浪の旅を続ける不思議な青年・レンと知り合うことになります。

茶屋の店主に事情を話すと、店主はあきれ顔で“秘密の道”=古道は神々が通る道であることや、人間が気安く入れない道だと説明する。

レンの計らいで、”私”とカズキは古道を脱出するべく、正しい出口へ案内してもらえることに・・・。

『風の古道』感想

細田(略!

この作者さん、夜市でも思ったのですが、伏線の回収が上手い!!

青年と子供のロードムービー的な話かなー、単調だなー、と思いきや、あっさり裏切られるテンポの良さ。

そして書評にも書いてあるのですが、小説なのに鮮明に映像がイメージできる描写力。

もう監督:細田守、作画:俺みたいな(脳内の)状態でサクサク読み進められます。

風の古道、ぜひご一読を。

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